やっと秋らしく涼しい風に満たされる季節なって参りました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
当協会も発足から10か月を向かえ、関係各部との意見交換を継続しております。先月末に第4回講演会を都内において開催いたしました。一般社団法人JPCERTコーディネーションセンターから講師をお迎えし、「JPCERTから見たサイバー安全保障のこれからについて~インシデント現場の課題から見える、官民連携の課題~」について御高話を拝聴いたしました。官民連携のドクトリンの必要性など非常に興味深い内容であり、時間を超過して活発な質疑応答が行われました。

 さて、ご案内のとおり、7月30日、情報処理推進機構(IPA)は2024年版の情報セキュリティ白書を発行しました。白書には国家の関与が疑われるサイバー攻撃の常態化や企業・組織等が受けたサイバー攻撃の件数や被害金額は世界的に増加していることが記述されており、特に国家の関与が疑われるネットワーク貫通型の攻撃は巧妙かつ執拗で長期かつ広範囲に及ぶこともあり、被害は深刻であると分析されています。また、8月6日にサイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」をめぐり政府の有識者会議の論点整理がまとまりました。翌7日に公表され、平素から民間などの通信情報の収集・分析を行う必要性などが明記されています。さらに、9月10日、「能動的サイバー防御」をめぐり、自民党が政府に提言を提出いたしました。
当協会といたしましては、サイバー空間の状況、今後の有識者会議の検討を見守りつつ、我々が成すべきことを更に深化・進化させる必要があると強く感じております。今後とも皆さまのご協力・ご叱正を宜しくお願い申し上げます。
いつも申し上げていることです。当協会の発足が「画期的であった。」と評されるよう引き続き努力を重ねる所存です。      

理事長 林紘一郎