春風のさわやかさとともに桜花の咲く心躍る季節となりました。
 皆様お健やかにお過ごしのことと拝察しております。
 サイバー安全保障人材基盤協会も発足後4か月が経過いたしました。その間、オ
フィスの立ち上げ、内部規程の整理等もひと段落し、理事及び研究員による陸上自衛
隊通信学校との意見交換を実施したところです。また、3月31日には陸上自衛隊通
信学校から陸上自衛隊システム通信サイバー学校への組織改編式参列の誉を得て、国
防を担う精悍な隊員を拝見しつつ厳粛な式典に協会理事長として身が引き締まりまし
た。
 協会を構成する会員につきましては、正会員、賛助会員ともに増えており、組織と
しての幹回りは確実に太くなりつつあります。正に2024年4月は実質的な活動開
始年度・月と捉えております。
 サイバー空間に目を向けますとその脅威は国内外を問わず増大の一途と言えましょ
う。例えば、ロシアによるウクライナ侵略においては、ウクライナ、ロシアともに前
線にサイバーチームを展開し、双方のシステムにアクセスを試みる等の動きもあると
ころ、今後の展開について予想することは極めて困難と認識しております。また、国
内においては行政機関、学術研究機関等において情報窃取を企図したとみられる不正
アクセスや、ランサムウェアを用いることなくデータを窃取、金銭等を要求する外国
勢力によると思われるノーウェアランサム攻撃による被害が明らかになっておりま
す。このように有事・平時、官・民、国境を問わず、サイバー空間における脅威は引
き続き複雑化巧妙化していると言えます。
 これらの脅威に対応すべく、防衛省自衛隊をはじめとする政府各機関、重要インフ
ラ事業者及び防衛産業などの我が国のサイバー安全保障に係る人材の需要を満たすた
めに、民間事業者、産業界が連携、協力し、速やかに対応能力の向上に努めることは
喫緊の課題と考えております。
 当協会の発足が「画期的であった。」と評されるよう引き続き努力を重ねる所存で
す。
 今後とも皆さまのご協力・ご叱正を宜しくお願い申し上げます。

理事長 林紘一郎