皆様方におかれましては、穏やかな新年をお迎えのことと拝察しております。本年もよろしくお願いいたします。
昨年は、大企業におけるサイバー攻撃の被害を目の当たりにしました。生産、流通、販売への甚大な影響、情報の流出等々が明らかになるにつれ、国民の多くがサイバー空間における脅威を感じたのではないでしょうか。そして、その脅威は一層複雑化・高度化していると認識しております。
これに関し、総務省の情報通信白書によれば、生成AIによるサイバー攻撃への悪用等によるサイバーセキュリティのリスクが新たに指摘されております。我が国においては、関係省庁がこのリスクに対応すべく、可能な限り、回避・低減するための取り組みや生成AIを効果的に活用するための取り組みを行っております。米国においても昨年6月の大統領令においてAI行動計画が作成され、サイバーセキュリティを含むAI対応の強化が記述されております。
また、昨年は「重要電子計算機に対する不正な行為による被害の防止に関する法律」(サイバー対処能力強化法)をはじめとする能動的サイバー防御のための法制度が整えられました。本年はそれに肉づけを与えていく年だと考えております。新たに発足することになるサイバー通信情報管理委員会についても注視して行きたいと存じます。
さらに、年末にはサイバーセキュリティ戦略が閣議決定されました。サイバー対処能力強化法に規定された関係施策がこの戦略に基づく施策と相まって適正に実施されることを大いに期待しております。
さて、ウクライナにおいては、未だロシアとの戦いが継続しております。サイバー攻撃を含むハイブリッド戦が展開されていることに引き続き変わりはないでしょう。併せまして、我が国周辺の安全保障環境も益々厳しさを増しており、政府は、所謂、安全保障3文書を本年中に見直すとしております。技術の急速な進展、特に量子コンピューターの実用・実装化による生成AIの更なる高度化に伴い、激変するサイバー空間の脅威認識、そしてその対応方針・構想も記述されるものと推察できます。
幣会におきましても引き続き、これまで以上に安全保障関連組織との関係を強化し、激変するサイバー空間の脅威に対応する人材の育成に協力する所存です。
結びに、皆様のご健勝とご発展を祈念するとともに、本年も変わらぬご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
理事長 中谷和弘
